貨物新幹線実現となる?

ここ数週間の間で貨物新幹線についてメディアの記事を見かけましたので
それに対する個人的な意見を番外編として今回述べていきたいと思います。

今回は北海道新幹線並行在来線区間であり、JR貨物が通る新函館北斗長万部について今後どうなるのかざっくり3選択肢に分けて見ていきます。

 

A.すべて旅客輸送できる状態で残す。
→この可能性は低いです。
利用者の大半が地元の高校生と特急利用者で、特急列車が停車する駅でも1日あたり平均乗車人員(2018年前後)は八雲が約230人、森が約290人、大沼公園が約140人と1000人に届きません。道南いさりび鉄道より距離が長くキロあたり沿線客数が少ないので予想されているように相当な赤字額となります。JR貨物の線路使用料も微々たるもので、線路修繕費等が重くのしかかるのでアテにできません。

 

B.貨物専用として残す。
→Aよりも可能性は高くなります。

在来線による物流運搬ならばこの方法が解決策となりますが、鉄道が市内を通る自治体からは線路を郊外に移転してほしい要望が出るかもしれません。
この案は新車の甲種輸送や在来線観光列車の利用が引き続き可能となります。


C.全線廃止。
→Bと同じくらいの可能性で起こります。
自治体すべての足並みが揃えば即廃止、バス転換になります。
甲種輸送札幌市営地下鉄車両のように船便に変わり、貨物輸送は北海道撤退か貨物新幹線になるでしょう。道南いさりび鉄道では線路使用料収入がなくなる一方で線路修繕費がある程度下がります。電化設備が不要になります。
メディアは線路使用料についてばかり注目がちですが、重たい貨物列車が通らなくなるので線路の劣化が遅くなります。列車の運行速度を落とすことで線路の修繕頻度を減らせます。

 

 

この3案の中でA以外になると真っ先にJR貨物が懸念を表明するでしょうか。

去年、貨物撤退論でJAをはじめ北海道の産業界に激震が走りました。
JR貨物は北海道撤退となると赤字になる…と言っていましたが、その儲け分はJR北海道が赤字負担してる分なんですよ。適切な線路使用料を支払っていませんので。

道内の物流業者とグルになっているでしょう。近年、JR貨物はとある新聞広告で一面大きく載せてるようです。札幌圏の通勤通学利用者は運賃負担増で苦しんでいるのに呑気ですね。JR貨物や北海道の物流業者はJR北海道の安い線路使用料で儲かっていることで甘えています。札幌ドームと日ハムの関係と同じですね。
今後のJR北海道の反撃に期待しています。数年後、大変なことになるかもしれませんね。仮にJR貨物から甲種輸送をお断りか料金割増しを迫られたら船便に切り替えればいいだけです。

 

 

最後に、貨物新幹線の可能性について
これは上のCの場合のみ提案します。
ルートとしては札幌貨物ターミナルから在来線と並走して新幹線札幌駅まで標準軌(新幹線規格)で線路を建設し、運行するものです。

 

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札幌タ~札幌駅ルート(国土地理院地図)


新幹線建設とは別に札幌~札幌貨物ターミナルまでの約6kmが追加工事区間となります。
本州側のターミナルは新青森で充分でしょう。この案は、JR北海道JR貨物お互いにとってwin-winなものとなります。
新青森での在来線・新幹線コンテナへの貨車移動作業が増えますが、札幌~新青森までの従来の移動時間を考えるとそれほど痛くはないですね。